第49回開講記念会

6月25日の土曜日に第49回開講記念会が行われました。今年は熊本より赤ひげ大賞を受賞されたおがた小児科・内科医院の緒方健一先生をお招きし、特別講演を賜りました。小児の在宅診療(主に在宅人工呼吸器管理)という分野は、我々が普段あまり触れることのない領域であり、出席された先生方それぞれが興味深く拝聴されていたように思います。緒方先生、熊本地震直後ということもあり特に御多忙の中御足労頂き、誠にありがとうございました。
また、その後行われた懇親会では、普段お会いすることの少ない先生方とも交流することができ、皆さん楽しい時間を過ごせたのではないかと思います。



来年は50回という節目の年になりますので、久留米大学麻酔学教室の更なる発展を目指して行ければ、と思います。

第3回区域麻酔学会に参加して

麻酔科医局長の佐藤です。

 さる4月15日(金)から16日(土)にかけて区域麻酔学会が行われました。14日夕方に仕事を離れ、東京(羽田)経由で青森まで飛び、発表者のサポートをどうしようかと思っていましたが、青森に到着した直後、熊本県震度7の大地震。ホテルに着いたらテレビは地震の報道一色でこんなところにいてもいいのかとも思いました。(これが余震とはとても思えませんでしたが)
 翌日は医局員の太田先生や服部先生の発表があり、座長の先生やフロアーからの質問にも堂々と受け答えされていました。頼もしかったです。今回のテーマの「区域麻酔とがん手術」は麻酔法により免疫能が変化し、がんの再発が誘発されたり、抑制されることなどが指摘されています。

外国からの招待演者の先生方は全身麻酔単独よりも区域麻酔を組み込んで手術を行うことを指摘していました。我々の体の中にもがん細胞は日々作られていますが、免疫の力により排除されていることはよく知られています。がんの治療も免疫療法やがんワクチン療法など新たな治療もおこなわれていますが、手術での切除は今後も行われます。今回の公演をもとに今後の臨床に役立てたいと思います。
 最終日も機器展示や発表を見たかったのですが、金曜日の深夜に再び、地震が起こり(本震の震度7が襲う)、泣く泣く早朝の予約の取れた飛行機で久留米に戻りました。弘前は雨で肌寒く、日本列島はそれなりに広いと感じた数日でした。

医局長2期目に突入にあたって

麻酔科医局長の佐藤です。
2015年4月より医局長に就任し、4月から2期目に突入します。
この1年を振り返ると、医療安全に重きを置く体制と手術症例の増加による人員確保の板挟みのような状況下で、一身上の都合で大学から離れていく先生方のことも調整しながら、何とか切り抜けてきた印象です。
執刀医クラスが自分たちと同学年から場合によっては、10年下ぐらいまで下がっている診療科もあり、時代の流れを感じます。
ただ、前任地と比べると、あまりにも無駄に思える確認事項が多いのではないか、もっと簡略化できないのかと感じることがあります。大学病院ならではの悪しき風習が残っているように思います。
PDCAサイクルがうまく回っていないのではないかとも思いますが、麻酔科の医局にいる仲間たちが実り多き一年になるように頑張りたいと思います。

第48回南筑後臨床麻酔ペインクリニック研究会

3月11日金曜日に 第48回南筑後臨床麻酔ペインクリニック研究会が大牟田で開催されました。奇しくも東日本大震災からちょうど5年目の日でした。
特別講演には米盛病院 副院長の冨岡譲二先生をお招きし、「災害医療の過去・現在・未来」という演題で特別講演をしていただきました。
講演では阪神淡路大震災の教訓を生かし、我が国の災害医療がどのように構築され、また災害時にどのように運用され、また運用された中で新たな問題点を見つけそれに向かい解決策を練ってきたかという経緯を先生ご自身が経験・体験されたことを基にお話しいただきました。災害医療と言う分野は、手術室にこもりがちな我々麻酔科医の中にはすこしピンとこない先生もおられるかと思いますが、遠隔搬送などで被災地から離れた病院での手術などもあることであり、今一度我々も再確認する必要があります。また勤務先の病院が被災した際にはどういった状況で、どういった診療ができて、どういった医療支援が必要なのかということを発信するシステム広域災害救急医療情報システム(Emergency Medical Information System:EMIS)を使って情報を発信しなくては迅速な援助を受けられなかったりもします。このあたりの勉強会を今後行おうかと思っています。
また先生の講演の中で支援の方法はいろいろあり、その中で忘れない、思い続けることも一つの支援であること、また過去の災害での教訓を語り継いだことで多くの命が助かったことなどのお話もありました。我々も日々進化していく医療を追い続けることも大切でありますが、先人の知識も再確認しながら日々の診療に携わって行きましょう。


日本蘇生学会35回大会について

日本蘇生学会35回大会のホームページがアップされました。

http://www.nksnet.co.jp/sosei35/

今年の蘇生学会は、牛島一男先生が大会長を務められ、久留米シティプラザで行われます。
大会ホームページでは公式Facebookを立ち上げています。学会に関しFacebookでも随時情報を発信いたしますので、そちらもチェックしてください。

日本蘇生学会第34回大会

 11月5日(木)6日(金)、秋田キャッスルホテルにて日本蘇生学会第34回大会が開催され、参加して来ました。

 私は参加できなかったのですが、伊藤明日香先生は、「シロリムス溶出性ステント留置から6年経過した患者の左上顎洞手術後に超遅発性ステント血栓症を生じた1症例」を発表されました。
 亀山先生は、「脊髄くも膜下麻酔後に心停止を来した帝王切開の一例」を発表されました。麻酔中の状況が目に浮かぶようで、実に恐ろしく、他施設の先生方からもその時の状況や対応などについて多くの質問を受けられていました。
 私は、「大血管手術での体外循環離脱後に心停止を来した1症例」を発表し、質疑応答では輸血について多く聞かれました。他施設では、大量輸血が予想される症例にはK吸着フィルターを使用しているとのことでした。平木先生、ご指導頂きありがとうございました。

 教育講演では、旭川医科大学の鈴木昭広先生による「気道確保の最前線」を拝聴しました。麻酔科医は如何にしても外科的気道確保を回避すべきであり、そのためにあらゆるデバイスが活用できること、またそれを習熟することの必要性を強く実感しました。
 発表も終わり、ほっとした夜は、‘きりたんぽ’に‘ハタハタのしょっつる鍋’と秋田名物に舌鼓・・。とても美味しく幸せな夜でした。

 来年の日本蘇生学会は久留米で開催されます。

 お忙しい中、学会に参加させて頂き有り難うございました。この場をかりて医局員の皆様にお礼申し上げます。

第43回救急医学会総会に出席しました

ブログ初投稿 i-twoです

10月21-23日に東京は有楽町の東京国際フォーラムにて第43回日本救急医学会総会が開催されました。
国際フォーラムは自分が指導医(現在の専門医制度前)の口頭・実技試験を受けた場所でもあり建物に入るときには少し緊張も覚えました(笑)
自分は木曜日の22日より参加させていただきました。学会参加中、大学の勤務をしていただいた先生方ありがとうございました。
まず、なんといっても今年の注目は心肺蘇生のガイドライン2015の改定ではないでしょうか?関連の講演の多くが21日に行われ自分は参加できませんでしたが、会場からあふれるほどの聴衆だったとのことでした。大きくは変わっていませんが、BLSにおける処置、胸骨圧迫の深さ、また薬剤のことなど、変更箇所があります。今後の蘇生コースの変更なども考慮されます。                また麻酔領域では定番(?)となっているrSO2を蘇生時の脳血流、また蘇生後の神経学的予後の評価などに使用している研究が多く発表されておりました。
 夜は、前職場であった救命センターの同僚と熱い討論を交わしました。センター勤務の同僚、救急から麻酔科医へ転職した同僚、また職場の拠点を海外に移し活躍している同僚などなど。熱い集まりで東京の寒空も少し暖かくなったのかな?と思い、夜遅くまで語り合いました。

簡単ではありますが学会出席報告とさせていただきます