日本ペインクリニック学会第50回大会

2016年7月7日〜9日、パシフィコ横浜で日本ペインクリニック学会が行われました。3日間参加させていただきました。
今回、Raczスプリングガイドカテーテルによる神経剥離術について発表しました。この手術は、韓国で1日10例程行われていますが、日本では術中で使うヒアルロニダーゼの保険適応の問題があり、あまり普及しておりません。学会には韓国からも数多く参加されており、会場はとても賑やかなものとなっていました。当科の山田先生がヒアルロニダーゼを使わない方法で手術を行うことを考案され、今回の発表に至りました。そのため、発表後は多くの質問が飛び交い、有意義な時間を過ごすことができました。
講演の中で、『国際疼痛学会では「痛みは、組織の実質的あるいは潜在的な障害に結び付くか、このような障害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である。」すなわち「痛みは感覚でもあり感情でもある。」としています。』という話がありました。ペイン外来でも、緩和の病棟においても、性格が朗らかで楽観的な患者さんのほうが同じ病態を示していても、疼痛が少ないことを感じました。疼痛に対しては多角的なアプローチが必要になってくるのだと思います。
また、PECSが帯状疱疹後神経痛や肩関節運動の回復に有効であるということが言われていました。今までは手術の創部痛に対してのみ行っていたので、新しい考え方を取り入れることができました。
その後は横浜の海風をうけながら、散策したり、夜景を眺めたりして過ごしました。
このような機会を与えてくださり、ありがとうございました。また、指導に当たってくださった山田信一先生、津田勝哉先生には大変お世話になりました。
今後の診療において今回得た知識を生かしたいと思います。