手術医学会総会に参加して

第36回日本手術医学会総会に行ってきました。毎年この時期にありますが,今年は札幌で開催されました。時期的に最も過ごしやすく,お天気にも恵まれ快適に過ごすことができました。牛島一男教授をはじめ医局員の皆様に感謝致します。昨年もこの場で述べましたが,ある意味麻酔学会なんかよりも面白く感じます。

 

 当手術部からは「中央手術部における医療材料保管スペース有効利用方法の考察」という演題名で臨床工学士の平田さんに口演をしていただきました。平田さんには麻酔器材室の管理を主にやっていただいていますが,2年間かけて取り組まれた成果を発表されました。既成の概念に捕われない汎用性と拡張性に富んだ独創的な医材管理方法が賞賛を浴びていました。

今回の学会での主な興味は「手術と病院経営」ということでした。昔から議論されていることなのでしょうが,医療制度が劇的な変化を遂げている昨今,病院経営において手術医療はますます大きな役割と変化を求められます。将来に向けて病院はどのような戦略をもち,その中で手術部はどのような貢献ができるのかということについて朝から夕方まで関連のセッションが行われ,大変勉強になりました。現在,いかにして手術件数を増やすか?ということに主眼をおいて取り組んでいますが,闇雲に手術を増やしても赤字手術ばかりが増える可能性があり,しっかりとしたデータに基づいた戦略が必要だと再認識しました。また,「増えていく手術にどう対応していくか?」という議論は頻繁に行われるのですが,うちの場合はその手術が増えないので,他施設より随分と低いステージにいることも認識してきました。
手術部運営に携わるようになってまだ4年,改革の道は険しそうです。