首都圏ECTネットワーク第9回研究会に参加しました

2013年3月2日に新宿にあるJR東京総合病院で行われた首都圏ECTネットワーク研究会に行ってきました。
今回、精神科の先生方が主に集まって行われるECT研究会に参加させていただくことになったきっかけは、J Anesth 2011に掲載された「A case of nonsustained ventricular tachycardia immediately following modified electroconvulsive therapy in a depressive patient」を見ていただいた研究会のお世話人の先生から、シンポジウム「ECTと致死的不整脈」で講演を、というお話を頂いたことです。
ECTは精神症状の改善に迅速かつ確実な効果がもたらされる治療であるけれども、術中の高血圧、不整脈が多数みられており、稀に致死的な不整脈の発生も報告されているため、その危険性を踏まえたうえで安全に施行していくことを目的として立ち上げられた研究会でした。
会場は病院内にある講堂で行われ、聞きに来られている先生方はほとんど精神科の先生のようでしたが、中には麻酔科の先生もいらっしゃいました。講演は14:00〜18:00の時間で、精神科の先生の講演や、麻酔科の先生の教育講演「全身麻酔における致死的不整脈とその対応」、シンポジウム−ECTと致死的不整脈−では私の他にお二人の先生方の発表がありました。
私は、mECT直後に非持続性VTを来した症例報告、当大学におけるmECTの麻酔紹介“筋弛緩薬/拮抗薬の違いに焦点をあてて”、mECTの麻酔管理について、発表させていただきました。それぞれの発表の後には会場の先生方から質問も飛び交い、活気のある有意義な会でした。私自身も、mECTの麻酔でVTを経験したことを思い出し、今後特に心疾患等の既往のない患者さんでも稀に致死的不整脈が起こりうることは頭において、きちんとした麻酔管理(循環動態の変動も含め、術前評価等も)を行うべきであると改めて感じました。

研究会後は緊張もほぐれ、東京ながら神戸牛とお酒もいただき、格別なお味でお腹いっぱい楽しく過ごしました。おごちそうさまでした。
今回の機会を与えてくださいました先生方に感謝いたします。ありがとうございました。