バンクーバーふれあい紀行

6月21日から26日までカナダのバンクーバーのUBC (University of British Columbia)で行われたICRS (International Cannabinoid Research Society) Annual Symposiumに参加してきました。年休に1日お休みをいただいての参加でしたので、教室の皆様には大変ご迷惑をおかけ致しました。申し訳有りません。

会場となったUBCはバンクーバーの西端にあり400haにキャンパス、ホテル、アパート、住宅街、公園、博物館などを備えた広大な施設です。中には” Nitobe Memorial Garden”という新渡戸稲造を記念して造られた庭園もあり、日本人として背筋がピンッとなる感じがしました。

この学会は参加人数が200人程度の小規模の学会ですから、中規模のホテルを借り切って行われます。参加者はそこに宿泊しそこで学会を行うという、いわば合宿のような学会です。朝ご飯から夜ご飯まで共にします。食事は見ず知らずの人と相席になり、宿泊も相部屋だったりすることもあります。期間中、他の参加者と寝食をともにする一風変わった形式で、そういった意味ではかなり刺激的です。しかも場所は街から離れており、途中で抜け出して遊びにいくということはなかなか難しい環境におかれます。文化的な違いや言葉の問題もあり、打ち解けるのに時間を要します。楽しくも有りストレスでもあります。


しかし、今回は幸か不幸か参加登録が直前だったことも有り、宿泊が相部屋さえも難しい状況でした。そこで、今回は会場には宿泊せずに別に宿をとり、毎日レンタカーで会場まで30-40分かけてせっせと通うことにしました。

レンタカーはHyundaiでした・・・。





今回の学会も参加者はおよそ200人、日本からは私を含めて5人でした。
学会は朝8時30分から、夜7時頃まで行われます。今回はネタ集めが目的だし、一人ですから別に観光をしたい訳でもなく、さらに外はそこそこ寒く、雨まで降って日本の初冬を感じさせる物悲しい雰囲気でしたので、全日程においてお勉強をさせていただきました。食事会場の横がポスター会場なので、朝食もしくは昼食後にポスターセッションがあり、あとは講堂に集まり口演といった具合の流れです。





昼ご飯や晩ご飯は参加者と共に食べますので、私のように一人で参加している人と相席になります。そのときにいろいろな話ができるのが面白いのです。食事を共にした方々と今年の注目は何だろう?という話になりましたが、多くの人がCB2がホットだといっていました。確かに今まで注目度が低かったCB2でしたが、演題の中にも多くみられ、特別セッションも行われるほど注目されている感じがしました。このように色んな人と話ができるのがこの学会のいいところなのかもしれません。そんな中、大手外資系製薬会社の研究員の方の話が興味深いものでした。
その企業はcannabinoid化合物を400余種作成し、うち一つが治験まで進みましたが副作用の問題で中止となりました。現在は合成cannabinoidから内因性cannabinoid、特に合成や分解を司る酵素にターゲットをシフトしたということでした。いくつかの製薬メーカーも同様の開発を急いでいるらしく、もうすぐ治験が始まるものもあるようだというお話もいただきました。
日本でcannabinoidを臨床導入するには内因性システムにアプローチしないと難しいだろうと思っていたので、企業の狙いと一致したことは大きな励みとなりました。

学会3日目は” Explore Vancouver On Your Own Outing And Dinner “と題して、4時前に討論を終え各々街へ繰り出すという日でした。この日は香川大学の上田夏生先生御一行とともにダウンタウンに買い物兼食事に出かけました。街を散策中に懐かしい香りに足を止め、辺りを見回してみると・・・。



カナダは合法らしいです。







夕食は名物が何か知らなかったので、妥当なところでイタリアンにしました。おしゃれな感じでしたが、お味は・・・。それでも、僕としては久しぶりの大勢での食事でしたので楽しく過ごせました。









しかし、この日以外の晩ご飯は学会で食べてもこんな感じなので、たくさんは食べる気になれません。







ですから、9時過ぎにホテルに帰り着く時にはおなかがすいてきます。しかし、幸いなことに私のホテルの横には私がこよなく愛するベトナム料理のレストランがありました。” Pho Japolo “といいます。結局そのレストランには到着したその夜から、出発前夜まで毎晩足しげく通い、Phoと生春巻きを食べ、朝食用にベトナムサンドウィッチを作ってもらい、写真の様な美人のベトナム人店員さんに手厚くもてなしていただきました。店構えは廃墟みたいですが、味は絶品でしたよ。









国際学会に行くといつも感じるのですが、やはり英語力の乏しさに我ながらあきれてしまいます。もう少し英語ができたなら、もっと実り多いものになるのでしょうが・・・。それでもかなりお腹いっぱいになりました。
みなさん、ありがとうございました。

来年はイタリア・ミラノだそうです。どなたか参加してみませんか?