ニューヨークの夏

久留米大学麻酔科の皆様。今年は夏の暑さがとりわけ厳しいと聞き及んでいますが、元気にお過ごしでしょうか?梅雨のないアメリカでは6月から既に暑さがピークで、公園の水浴び場では水着で子供が駆け回っています。週末になりますとどこかで必ずお祭り的な催しが行われており、通り過ぎるだけでもその雰囲気で楽しませてくれます。今回は私が訪れたいくつかをご紹介いたします。

Roosevelt Island Day
島でのお祭りは、島の中心にある教会前の広場に移動式の遊具(空気で膨らませて、中で飛び跳ねて遊ぶ系)や、お菓子などの小さな屋台、動物ふれあいコーナー(家畜系?)などがならぶ、小さな子どもを持つ世帯の多いこの島ならではのかわいらしい催しでした。










Nathan’s Hot Dog Eating Contest
以前は日本人がよく優勝していた、ホットドッグ早食い競争です。アメリカ独立記念日にホットドッグ発祥の店と言われる「ネイサンズ」の前で行われます。場所はコニーアイランド(Coney Island)という、マンハッタンから地下鉄で1時間ほどの海辺の町で、地下鉄の駅を出て100mほどの距離にもの超広大なビーチ、遊園地や水族館を有するリゾート地です。

大会はビーチや遊園地を目指す人々でただでさえごった返す駅前通りを占領するかのごとく陣取り、それはもう大変な人だかりでした。前座の演奏やマジックにチアリーディング、声を張り上げ煽る司会者、あまりの混雑に通行人が腹を立てても知らん顔の警官(何のためにいたのか?)など、すべてがこれぞアメリカという雰囲気でした。



独立記念日は秋のサンクスギビングデイと並ぶ、アメリカにとって最も重要な祭日。特にアメリカに愛国心のない私たち家族も雰囲気にだけはきちんと乗っかり、この日は屋上ディナーを楽しみました。エンパイアステートビルのライトアップは星条旗の三色が複雑に織りなし、夜になると各所で花火が上がっていました。









砲丸みたいな球を使ったスポーツだかなんだかのお祭り
特に調べることなく出かけた先で、偶然お祭り騒ぎに行きあたることもよくあり、テーマがわからないことも。ブルックリンで出くわしたこれは、通りをわざわざ封鎖し大量の砂をわざわざ運んで枠の中に敷き詰め、その中で砲丸みたいな球を転がしています。大がかりな割には真剣にやってるような雰囲気は一切なく、何をやってるのかその辺の人に聞いてみましたが知らないとのこと。大して興味もわかず通り過ぎましたが、誰かわかりますか?









[[New York Philharmonic Concert in Central Park]]
街中や職場などでクラシック音楽を耳にすることは一切、金輪際、ないのに、アメリカには世界最高レベルのオーケストラがいくつもあります。カーネギーホールを拠点とするニューヨークフィルハーモニックもその一つで、若かりし小沢征爾バーンスタインに師事して副指揮者を務めていたオーケストラです。この日はそのニューヨークフィルハーモニックがタダで聴けるとあって、平日ながら麻酔科医なみに早く出勤して仕事をすませ、開演の一時間前にはセントラルパークに着きました。がしかし、もう、唖然とするほどの人出。すでに悠々と陣取ったカップルの足元(みんな寝そべってる)と、緊急通路用のフェンスとの間に何とか居場所を見つけ落ち着くも、指揮者もオーケストラもほとんど見えないほどの遠さ。しかし、美しい夕映えと憂愁漂う音楽(ドヴォルザーク:チェロ協奏曲)で醸される空気感は素晴らしく、その雰囲気をそれぞれが思い思いに味わう様子が印象的でした。でもなんだかんだ、終演後の花火で一番盛り上がるところがアメリカ的な素直な反応ですね。




Outdoor Movie Series
7-8月の週末の夜は、わがルーズベルト島の広場で映画の上映が行われます。上映自体は日暮れを待ってからなので、この日など子供向けの演目だったのに開始したのは21時を回ったころ。我々は上映開始15分くらいで退散しましたが、上映前から草の上でスクリーン越しにマンハッタンに日が落ちていく風景を眺めるだけでもじゅうぶん癒されます。妻が言うには「生理的に受け付けないくらいの男の人に口説かれても、ここだったら落ちるかもしれない」くらい素敵だそうです。勝負に出たい男性がおられましたらぜひ、ルーズベルト島まで一緒にいらしてください。ご案内、リムジンの手配(ながーいの、ございます)、サプライズのお膳立て、何でもやります。婚約指輪も、すんごいの(ハリーウィンストンとか)が近所で買えます。まあ、「生理的にムリですごめんなさい」と言う女性をニューヨークまで連れて来れればの話ですが。