手術室内大気汚染?

日本手術医学会に行ってきました。

医局員の皆様にはご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。

前回のバンクーバーふれあい紀行が食べ物の話題しかないと不評でしたので,今回は学会の話題以外の余分な部分は割愛させていただきます。

久留米大学病院からはガーゼ発火事故の報告をMEの小島君にしていただきました。戸畑先生の絡みを真正面から受け止めた立派な発表でした。
大牟田市病院からも津田先生のチームの発表があり、多くの関心を集めていました。ご苦労様でした。

手術医学会は麻酔科学会などでは知ることができない情報がいっぱいあります。その中でも印象に残った話題を一つ。

 腹腔鏡手術時の炭酸ガスボンベから送気されるガスの中に,様々な微粒子がふくまれていることは去年のこの学会で報告があり,当手術部も早速フィルター付きのディスポーザブル塩化ビニル製気腹チューブに切り替えました。ところが今年の報告では手術時に使用される電気メスや超音波凝固装置から発生する煙やミストが実は危険な物質を含んでいることが最近の研究で解ってきたらしいということでした。以前からメーカーの方が電気メスから出る煙の危険性とそれを防ぐ排煙装置が発売になったとお知らせに来られていましたが,そんな煙が有害なら焼肉なんて食えんじゃないのとか言って完全に無視していました。
ところが,ウィルス性の肝障害を持つ患者の肝切ではウィルスを含んだ煙やミストが浮遊しているかも知れないということでした。プリオンも飛び回っている可能性があります。健康にどの程度影響があるかは定かではありませんが,煙の粒子としてはPM2.5のおよそ1/5だそうで,我々が着用しているマスクなんて簡単に通り抜けることになります。
空気がきれいだと思われている手術室も以外に大気汚染が身近にあるということでした。場合によっては支那より大気が汚染されているかもしれません。
手術中に電気メスから出る煙のにおいを嗅いで,今日は焼き肉にしようなんて言っているあなた,危険です。