第20回呼吸器インターベンションセミナーに参加して

麻酔科医局長の佐藤です。

8月21-22日の土日に行われた第20回呼吸器インターベンションセミナーに参加して来ました。
このセミナーは1999/9/25に福山市で第1回を開催した呼吸器疾患に対するステントやアブレーションといったインターベンション治療について報告するような研究会です。
今回は世話人が当院の光岡先生ということで、佐賀県嬉野市で行われました。参加者は自分を含め約50人程度でしたが、インターベンションを実際に行っている先生方の発表なのでみなさん真剣に聞いていました。
土曜日の午後と日曜日の午前に分かれていましたが、事情により、土曜日の午後の分だけ参加しました。悪性気道狭窄、良性気道狭窄、重度心身障碍者の中枢気道狭窄、麻酔管理のセッションです。
その中で気になったのは特発性気道狭窄の診断で7回バルーンによる治療を受けている方がおられ、年齢も34歳と若く、今後も治療が必要だが、おそらく年に数回はしないと気道閉塞で呼吸困難になると思われるため、本人や家族がその治療が必要なことを十分に理解していただくとか、我々医師も今後の長い治療について記録とかの不備がないように注意すべきと思われた。
 また、脳性まひをはじめとする重症心身障碍者では、側弯症などの合併症による気道狭窄が起こり、ステント治療が必要になる場合があること。など自分たちも新たに知識を入れていくことの重要性を感じました。
 特別講演で聖マリアンナ医科大学の宮沢教授からこれまでの20回を振り返るような講演があって、昔、慢性閉塞性呼吸疾患(COPD)に対してVolume Reduction(肺容量を減らす手術)が行われていたが、あらたなデバイスにより、ブラのあるような肺を内視鏡下に塞栓させ、容量を減らす手術や重症の喘息に対して迷走神経の焼却術を行うことなどが紹介された。今までは肺機能検査といえば、肺全体の容量で測定していたが、気管支分岐のレベルで肺機能を調べることや超音波内視鏡による肺胞壁の肥厚(平滑筋の肥厚)を測定し、レーザーで焼却するとかこの数年で新しい機械や道具の進歩により、できることが可能になったものも話されました。
 夜には、佐賀のおいしい地酒を中心に自施設の状況や今後の在り方について続きの議論が行われていました。
 来年は福山市で行われるそうですが、ステントにかかわる何らかの演題が準備できればと思います。