日本臨床麻酔学会 第35回大会

 10月21日(水)〜23日(金)にパシフィコ横浜にて、日本臨床麻酔学会が開催されました。
 私は22日(木)に発表でしたので、21日に現地入りし22・23日の2日間参加させていただきました。

 学会会場に到着してまずは自分のポスター発表会場を確認するために、展示ホールへ向かいました。2日目の午前中だったのですが平日のためか、併設された機器展示コーナーはいつもに比べて参加者がまばらな感じでした。
 休憩コーナーにおいしそうなパンとコーヒーが並んでいたので、早速休憩をしてからポスターを貼りました。

 午後はちょうど発表前に私の発表内容に関連したシンポジウム「術前診察の効率化」が開催されていたので、メインホールへ向かいました。
 今回の大会のメインテーマ「麻酔科医の新時代へ―DPC時代における麻酔科医の役割を考える」に通じるシンポジウムでもありました。
 それぞれの施設で様々な効率化に向けての工夫がされており、周術期管理センター開設など外来での麻酔科術前診察に対する取り組みについて討論されました。
 またDPC時代において診療の効率化は必須であるが、術前診察において効率化を追求すると(すべて麻酔科専門医に任せてしまうのが一番なので)教育がおろそかになってしまうというジレンマをどこでも抱えており、教育の仕方にも工夫が必要だというのが印象に残りました。
 その後すぐに自分のポスター発表だったので、取り組み始めたばかりでデータも少なく気後れしましたが、発表は滞りなく進み、質問も2問ほどでちょうど時間内に終わりほっとしました。

 その日の夜は発表が無事終わったので、横浜の観覧車を見ながら、ひとりでそっと乾杯させていただきました。

 3日目は、元日本代表のサッカー選手で、現在はサッカー解説者,浦安SCテクニカルアドバイザー,東京ヴェルディ普及育成アドバイザーである 都並 敏史さん の特別講演「全ての経験を次につなげる失敗から学んだ私のリーダー論」を拝聴させていただきました。ミーハー感覚で行ったのですが、興味深くためになるお話でした。
 また会場で偶然に埼玉県立小児医療センターに出向中のK・H先生にお会いしました。知り合いに会えてほっとしたのとお久しぶりだったのでしばらくおしゃべりさせていただき、会場を後にしました。

 実は臨床麻酔学会は初めての参加でしたが、大変勉強になりました。
 お忙しい中、学会に参加させていただきありがとうございました。

第20回日本心臓血管麻酔学会

 10月9日(金)〜11日(日)まで、福岡は天神、アクロス福岡で第20回日本心臓血管麻酔学会が行われました。私は残念ながら、最終日のみの参加となりました。私はJBpot直前講習会に参加して来ました。基本的なことから最新のことまで、幅広く学ばせて頂きました。
 
 今回は20周年を記念する大会であり、1500人の参加があったそうです。我が久留米大学からは、伊藤明日香先生が、10月9日、シンポジウムで「虚血性心疾患の患者の非心臓手術でTEEをどういかすか」と、CPBセミナーで「体外循環離脱困難」についてお話されました。私は残念ながら参加できませんでした。

 
 今回は、アクロス福岡という天神の真ん中で行われ、月曜日も祝日であったため、来福の方は博多を存分に楽しまれたことでしょう。

 今回学んだことを、今後の麻酔Lifeに活かしていけたらなと思います。

第37回日本手術医学会に参加しました

第37回日本手術医学会が2015年10月2日(金)・3日(土)に大阪国際会議場で開催されました。今年より私も手術部の運営に関与するようになり、本学会にはとても興味があり参加させていただきました。
本学会は麻酔科医のみならず外科医や看護師、臨床工学技士、薬剤師など多職種の方々が参加されていました。
学会の内容としては手術部運営、手術室感染対策、洗浄・消毒・滅菌、物品管理、手術医療経済など多岐にわたります。一般演題やシンポジウムでは各施設での問題点などが報告され、実情が分かりました。意外にもどの施設でも当院と同じようなことで困っており、納得というか少し安心しました。

麻酔科術前外来診察は当院でも開始しましたが、他施設でも導入しているところは多く、時代の流れに乗り遅れないようにしなければなりません。今後当院では入退院支援センターの介入が始まりますので、麻酔科も必然的に関与することになります。
展示ブースでは術前麻酔用DVDがPRされていました。待合室のモニターでリピート放映するものです。患者さんの麻酔に対しての理解が深まり、また麻酔説明の時間短縮につながるため以前より欲しいと思っていたのですが、若干いやそうとう値が張るようでした。

久留米大学手術部看護師からの発表では、座長の先生からの鋭い質問にも的確に返答され、とても立派な発表でした。お疲れ様でした。

発表後は、新世界へと繰り出し、ソース2度つけ禁止で有名な大阪串カツのお店で打ち上げを行いました。緊張からの解放感と発表の達成感で、とても楽しい会となりました。

月初めの人の入れ替わりで忙しい中、学会に参加させていただきありがとうございました。医局員の皆様にお礼申し上げます。今回の学会で学んだことを手術部運営に活かしていきたいと思います。

九州麻酔科学会 第53回大会

9/12、鹿児島で行われた九州麻酔科学会に参加してきました。

今回久留米大学からは、私谷澤と上瀧先生、武藤先生、片桐先生、研修医の荒田先生で学会発表をさせて頂きました。発表が終わるまでは落ち着かない様子でしたが、おかげさまで皆無事に終わることができ、ほっとしておりました。ご指導頂いた先生方、お忙しい中本当にありがとうございました。この経験をもとにこれからも精進していきます。
他にも多施設で働いている同期や先輩方の発表も聞くことができ、そのあと近況報告をしあったりして、とても有意義な時間でした。

また、前日に行われた九州麻酔科W会(女性医師懇談会・懇談会)にも出席させて頂きました。W会では、杏林大学の萬教授の講演ののち、それぞれの大学の女性医師の勤務状況などを報告しました。
萬先生の講演は,これから男女共同参画社会において、海外ではどういう取り組みがされているか、政府が行っている対策について、そして私たちがどうするべきか、などとても興味深いものでした。医学教育にも話が及び、まずはプロフェッショナリズムをできれば学生の内から育む必要がある、とのお話があり目から鱗でした。
懇親会でも萬先生のお話をまた伺うことができ、大先輩方に囲まれて恐縮しきりでしたが、楽しく、刺激的な時間を過ごしました。

よく晴れて鹿児島市内から綺麗に桜島を眺めることができ、大きな噴火もなく無事に久留米に戻ることができました。
久しぶりの鹿児島は美味しいものも多く、やはり良い街でした。

第62回日本麻酔科学会学術集会 (2015.5.28~30)

ずいぶんご報告が遅れてしまいましたが、5月に神戸で開催された日本麻酔科学会学術集会に参加させて頂きました。
昨年は研修医としての参加でしたが、今年はもっともっと知識を深めるべく、広い会場を右往左往しておりました。
本教室からも発表されている先生がいらっしゃり、普段私たちがあまり触れることのない基礎研究のお話
もお聞きしました。なかなか難しい部分もありましたが、こうした地道な研究が臨床にもつながっていくのだなぁと感じました。
リフレッシャ‐コースにもいくつか参加し、特に分離肺換気のコースが興味深かったです。少し苦手意識のあった分野でしたが、帰ってたらすぐにやってみようと思えることも多く、実践的な内容が勉強できてよかったです。

初日の夜に新入局員一同で神戸の街のおしゃれなビストロで美味しいワインをいただきました。麻酔科医としての生活が始まったばかりの私たちで出身大学も地元もバラバラな私たちですが、お互いにいろいろお話しながら楽しい夜を過ごしました。

有難いことに、私たち新入局員は全日程参加させて頂きました。手術室がお忙しい中、ありがとうございました。

第20回呼吸器インターベンションセミナーに参加して

麻酔科医局長の佐藤です。

8月21-22日の土日に行われた第20回呼吸器インターベンションセミナーに参加して来ました。
このセミナーは1999/9/25に福山市で第1回を開催した呼吸器疾患に対するステントやアブレーションといったインターベンション治療について報告するような研究会です。
今回は世話人が当院の光岡先生ということで、佐賀県嬉野市で行われました。参加者は自分を含め約50人程度でしたが、インターベンションを実際に行っている先生方の発表なのでみなさん真剣に聞いていました。
土曜日の午後と日曜日の午前に分かれていましたが、事情により、土曜日の午後の分だけ参加しました。悪性気道狭窄、良性気道狭窄、重度心身障碍者の中枢気道狭窄、麻酔管理のセッションです。
その中で気になったのは特発性気道狭窄の診断で7回バルーンによる治療を受けている方がおられ、年齢も34歳と若く、今後も治療が必要だが、おそらく年に数回はしないと気道閉塞で呼吸困難になると思われるため、本人や家族がその治療が必要なことを十分に理解していただくとか、我々医師も今後の長い治療について記録とかの不備がないように注意すべきと思われた。
 また、脳性まひをはじめとする重症心身障碍者では、側弯症などの合併症による気道狭窄が起こり、ステント治療が必要になる場合があること。など自分たちも新たに知識を入れていくことの重要性を感じました。
 特別講演で聖マリアンナ医科大学の宮沢教授からこれまでの20回を振り返るような講演があって、昔、慢性閉塞性呼吸疾患(COPD)に対してVolume Reduction(肺容量を減らす手術)が行われていたが、あらたなデバイスにより、ブラのあるような肺を内視鏡下に塞栓させ、容量を減らす手術や重症の喘息に対して迷走神経の焼却術を行うことなどが紹介された。今までは肺機能検査といえば、肺全体の容量で測定していたが、気管支分岐のレベルで肺機能を調べることや超音波内視鏡による肺胞壁の肥厚(平滑筋の肥厚)を測定し、レーザーで焼却するとかこの数年で新しい機械や道具の進歩により、できることが可能になったものも話されました。
 夜には、佐賀のおいしい地酒を中心に自施設の状況や今後の在り方について続きの議論が行われていました。
 来年は福山市で行われるそうですが、ステントにかかわる何らかの演題が準備できればと思います。

第20回日本緩和医療学術大会

第20回日本緩和医療学術大会へ参加してきました。

パシフィコ横浜です。良い天気ですね。
今回中でも注目したシンポジウムは「SY32 地域包括ケア時代の在宅がん緩和ケア」です。現在厚労省としても自宅での看取りを地域レベルで推し進めています。実際、今回の学会でも「在宅」「地域」というキーワードはたくさんありました。背景には様々な要因がありますが、ここでは割愛させて頂きます。

3名の演者がそれぞれ15分間の講演を行い、残りの45分を討論にあてるという形式でした。演者の2名は医師であり、まさにセッションのタイトル通りの各々がご活躍され、成功されている地域包括ケアシステムのモデルケースの紹介でした(ざっくりしすぎて申し訳ありません)。なかでも印象に残った言葉は白髭先生の「これからの時代には患者自身に【看取られる権利】がある。」というお言葉でした。当然だろうと思う方もいるでしょうが、言葉の意味を考えると、とても深いお言葉だと思いました。

そして、今回最も衝撃を受けたのは、実はこのセッションの最後の演者であったはずが、諸事情により?最初の演者となった、鈴木美穂さんの講演です。
鈴木さんは医師および看護師でもなければ、医療従事者でもありません。某大手テレビ局の30代前半の記者です。実はこの方は、24歳で乳がんStageⅢを発症し、各種治療を行ってきた、がんサバイバーなのです。現在も記者としてご活躍されながら、若年性がん患者のための患者会「STAND UP」、がんサバイバーのための各種ワークショップを行う「Cue」というプロジェクトを行っております。そして、更にはがん患者、家族、医療者といったがんに関わる人ならいつでも無料で利用できる「マギーズセンター」を日本(まずは東京)に作るという「NPO法人maggie’s Tokyo project」の代表でもいらっしゃいます。マギーズセンターって何?という方、詳しくは是非ホームページを見て下さい。英国での話ですが、名前を聞くだけで個人的にテンションのあがる大好きな黒川紀章さんが設計されたセンターを利用できるなんて、英国の方は不謹慎ながら羨ましい限りです。

こんな素敵で壮大なプロジェクト、もう動いてます。考えに賛同できる方の寄付、チャリティのみで運営していく必要があるとのことで、私も早速寄付させて頂きました。なんと!T-Pointでもクレジットカードでも募金できるのです。時代はここまで進んだのですね、びっくりです。これからマギーズセンターがどうなっていくのか陰ながら応援しつつ、楽しみにしていきたいと思います。

これは東京の地域包括ケアの限定的なお話しですが、今後マギーズセンターもしくはそれに近いものが日本全国で広がって行けばいいなと思いました。

7月4日(土)午前10時30分から鈴木さんが関わられた「Cancer giftがんって、不幸ですか?」という番組が地上波にてTV放送されます。がん診療に関わる医療従事者だけでなく、皆さんに見て欲しいと思います。が、福岡での放送は現時点では未定でした…東京の友人に録画して貰い拝見することに致します。福岡でも放送して下さい。

シンポジウム終了後鈴木さんとお話しをさせて頂けました。とても明るくて、パワフルな女性でした。某大学の先生も質疑応答にて仰っていましたが、この方ならプロジェクト運営が上手くいく気がします。


(鈴木さんには許可を頂いて掲載しています)

最後に、人生やこれからの診療を考える良い機会を与えて頂き、有難う御座いました。