韓国AhnKang Pain Free Hospital での研修を終えて

 韓国の医療技術は凄いものがあります。お隣の国なんですが日本とは考え方が全然違うのです。当然といえば当然ですが、いつもびっくりしています。前回、前々回と韓国の病院に行き、見学させていただきましたが、韓国は良いと思われる医療機器や医療技術をすぐさま取り入れ、臨床を重ねていき、良い結果を得られるものは継続、良い結果が得られないものはすぐに廃れていくとのことです。日本にこのような技術が導入されるには5-10年経過が必要な状態です。もちろん安全が第一であることは間違いないのですが、現場の人間としてはもどかしい一面もあるのが実情です。
 そんな中で、今回私はAhnKang Pain Free Hospital という病院を訪ね、Ahn Kang教授のもとペインクリニックの研修を受けてきました。ご興味のある方は、http://ahnkang.com/をご参照ください。
 色々なご縁があり、今回の研修になったわけですが、この先生の凄いところはFIMS(Fluoroscopy guided Interventional Microadhesiolysis)という技術を持っておられ、それに使用するneedleも先生が開発されたそうです。今回はこの技術と考え方を是非とも学びたいと思い、行くことにしました。詳細は下記をご参照下さい。
http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2474-11-180.pdf
http://ahnkang.tistory.com/

 1月20日から26日までの一週間の期間研修をしました。寒い寒いソウルでも特に寒かったらしく気温は‐11℃でした。韓国のテレビにも出演されている方の熱烈歓迎にあったため、寒さも忘れて一日目のベッドに就寝しました。
 二日目の朝8時半から病院で見学をしました。まずは病院で朝ごはん。慢性痛の方々の食習慣にも教育が必要とのことで、野菜中心の食事が提供されています。私もありがたく朝ごはんをとり、AhnGang教授に一日ついて回ることになりました。ペインクリニックでは患者の診断・診察、治療と本当に時間のかかる仕事なのですが、総勢4名の医師がそれぞれの役割を分担し、最終的にはAhnKang教授の治療を受けれるようにされており、出来るだけ多くの患者が待ち時間少なく治療を受けるようになっています。一日で100名以上の患者を診られており、体力に自信のある私も結構つかれる毎日となりました。FIMSの技術だけ習うつもりでしたが、AhnKang教授は、慢性痛患者の診察方法から診断に至るまで、FIMSの技術、IMSの技術について、そして教授の考え方に至るまで朝から夜中まで親切に教えていただき、私にとっては本当に貴重な時間となりました。
 さらにこの教授の凄いところは、自分の私財を使って週末には、韓国の無医村(韓国はソウル一極集中であり、人口も1/5がソウルに集まり、田舎の方はまだまだ不便だそうです)に医療を提供しに行っているということです。金曜日の夕方、病院での仕事を終えた私たちは、教授の所有する45人乗りのバスに乗って、韓国の東岸にまで行きました。病院スタッフ、ご家族を連れてのボランティア活動です。5時間以上かけてその場所に到着したのは、夜の11時30分過ぎていました。村人の歓迎を受け、深夜遅く就寝しましたが、翌日には公民館?が即席のクリニックに早変わり。70-80名の村人が押し寄せ、痛みのある場所場所に治療を施していただいていました。教授は、この時が一番楽しそうに治療をされていました。おそらく、こういった方々に奉仕をしたいために、通常の仕事もされているのだと思いました。村人と話しながら行われる治療は、本当に楽しそうでした。日本から来ているとわかった村人も片言の日本語で話しかけていただきました。本当に楽しいひと時でした。
 今回の研修は、医療技術だけではなく慢性痛に対する考え方や接し方、色々なことを改めて考えることが出来た貴重な時間となりました。私もこのAhnKang教授のように、人々に貢献できるよう努めていきたいと、つくづく思いました。
 AhnKAng教授の医療に興味がある方は、是非ともご連絡下さい。私が紹介役となって、私と一緒に研修に行きましょう!!